【復旧不可……】真っ二つになったマイクロSDカードの修理事例
カテゴリ:データ救出・復旧 pcfixs_f.iino | 2018/12/10
SDカード、全く認識しないとのことで御持ち込みいただきました。
衝撃を加えてしまったとのことで、確認したところ・・・
非常に残念ながら、真っ二つに割れていました。
衝撃によるものと思われます。
基板の端の部分であれば、記憶媒体(クリスタル)そのものは無事であることもありますが、
今回のような中央部が真っ二つですとデータ復旧は不可能となります。
なお、今回のような形状のSDカードのことをデータ復旧専門業者ではモノリス(一体型)と呼んでいます。
実際にデータ復旧を行う場合はSDカードの表面を削り(または溶剤で溶かし)、
製造時に用意された内部のNAND(メモリチップ)に直接アクセスするためのピン配列を露出させ、
ハンダゴテで結線し、データ復旧の専用装置に接続する必要があります。
例としてmicroSDに結線したものはこちらです↓
結線したものを顕微鏡で覗き、モニターに大きく写している状態です。
microSDに半田付けするということが、どれだけ緻密で、どれだけ難易度が高いかをなんとなくご理解頂ければと思います。
また詳細は,省きますが、手先の器用さを使い結線済んだら、それで終わりという世界ではなく、今度は頭をフル回転させデータ復旧用のソフトウェアを高度に使いこなさなければ結果は出ません。HDDとは違い膨大な数の種類の製品が世に出ているため、かなりのケースで製品ごとの個別対応・解析を行うような必要があるためです。
データ復旧というジャンルの中においても、超高難度作業となりますので、実際に対応している業者は国内ではわずかです。
必ず復旧できるというものではありませんが、国内では少ない対応業者ですので、お困りの際はぜひご相談ください。
(モノリスについては、必ず復旧できるという業者さんは怪しいのでご依頼されないことをお勧めします。)