ST31000524AS 重度物理障害 データ復旧できない例・・・
カテゴリ:LinkStation, サーバー, データコピー・バックアップ, データ救出・復旧, 起動しない・認識しない pcfixs_f.iino | 2016/05/21
データ復旧は上手くいくケースばかりではありません・・・
いつも成功例ばかり紹介していますので、今回は失敗例をご案内いたします。
対象装置はSEAGATE ST31000524ASです。
BuffaloのNAS LS-WX2.0TL/R1より取り外したRAID0構成HDDの内、1台です。
故障状態ですが「通電するとモーターが回転するもののカッコンカッコン、クリック音が鳴る。11回クリック音が鳴った後モーターが回転を停止する」という状態でした。
モーターの回転音も正常なものに比べてうるさい状態です。
開封して内部の状態を確認してみたところ・・・
プラッタの中心部と内周部に同心円状に2ライン引きずった傷を確認・・・
プラッタの表面を削って粉塵も相当でており、左上に配置されているフィルターも真っ黒です。
診断結果はプラッタとヘッド損傷です。
このレベルまでスクラッチが入っているとヘッド交換しても、
通電した瞬間良品ヘッドが破損してしまうためデータ復旧は不可能となります。
どんなに「復旧率が高い!」と宣伝している業者に頼んでも残念ながら結果は同様です。
今回は残念ながら復旧不可能となります。
なお、RAID0で構成されているHDDの1台が壊れた場合、
残りの1台からRAID0に設定されていたストライピングサイズ以下の極わずかなデータを救出することは可能です。
ただし、大半は破損してしまいますので必要データが運良く救出できることはほとんどないでしょう・・・
以上、残念な例のご紹介でした