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【ThinkPad E14 Gen 2】BIOS(UEFI)・ECの修理事例

カテゴリ:Windows, マザーボード, 起動不良・動作不良 pcfixs_f.iino2024/02/21

ThinkPad E14 Gen2 (20TA001LJP)のBIOS/EC修理事例です。

お客様のご申告によるとBIOS更新に失敗して、起動しなくなったとのことです。

こういった場合、BIOSが書き込まれているFlashチップの内部の、書き換えが失敗したであろう領域をターゲットにし、修復を行います。

今回のケースでも同様に、問題発生しているはずの領域を書き換えましたがうまくいきません。

修復範囲を広げて何度かリトライしましたが、やはり同様です。

BIOSの修復技術には自信がありますので、これだけ試して治らない場合は「BIOSが壊れているわけ(だけ)ではない」可能性が高いです。

次に疑うべきはEC(embedded controller)というICチップ内のFlashになります。

ECとは何か?というと、以前はI/Oコントローラや、SuperI/Oなどと呼ばれていたマイコンチップです。

現在は機能が増え様々なタスクを担っているので、BIOSと同じく非常に重要です。EC内のプログラムが破損するとPCは起動することができなくなります。

さらに興味がある方はWikiをご確認ください。

ECの書き換えは、BIOSのFlashのように決まった形状をしておらず、BGAであるため端子が表に露出していないので、簡単にアクセスして書き換えることができません。

そんな中、ECにアクセスする手法はいくつかありますが、今回はキーボードコネクタからアクセスし修復を行いました。

IMG_5556

この写真では、キーボードコネクタの写真と、そこから伸びるフラットケーブルが確認できます。

フラットケーブルの反対側は専用のプログラマーが接続されています。キーボードコネクタから先は基板内を通ってECに接続されています。この状態で、正しいECを書き込む準備ができました。

さて、ECを書き換えたところ、画面が表示されました。やりました。

IMG_5555 2

しかし、何かがおかしいです。

Invalid RFID Configuration 〜とかInvalid RFID Serializationなど、おそらく型番やシリアルなどの情報が正しくないとエラーが出ています。

さらにその下はBAD SVPとのエラーも。これはSuperVisor Passwordの略と思われます。

これらは各端末ごとに固有の情報ですので、オリジナルの破損したECから、移植する必要があったようです。

もう一度ECのDumpを見直して、該当すると思われる箇所を発見。

Untitled

このスクリーンショットはその内の一部です。※シリアルなどの固有情報を含んでいるので一部赤線で消しました。

では、これらを移植して書き換えると、今度はエラー表示なく起動するようになりました。

想定通りですが、実際に画面が表示されるとホッとします。

IMG_5558

さて、この段階で問題箇所はBIOSではなくECだけだった可能性も頭をよぎります。

破損していない部分に関しては、極力オリジナルの状態を維持したいので、BIOSはバックアップしていたオリジナルのものに書き戻します。

その結果、またPCは起動しなくなってしまいました。

ということは、今回はBIOSが破損し、さらにECも破損していたという結論になります。

もう一度、修復したBIOSを書き込み、これでようやく正常起動するようになりました。(BIOSの修復は序盤に何度かリトライしましたが、一番最初に作ったオリジナルに一番近い最低限の変更のみ加えたものを書き込みます)

あとは各種動作確認をして完了です。

BIOS/ECの修復は、物理的にアクセスして書き換える手段(ツール)を持っていること、正しく修復する為の知識が必要になります。

これらの知識は各修理業者独学ですので、修理できるかどうかの成否は業者ごとにまちまちです。(そもそも対応している業者自体少ないです)

また、BIOS修復(修理)というと簡単な作業にも思われてしまうことが多いのですが、このように試行錯誤を繰り返しますので実際はかなり大変です。

BIOS修復=マザーボード修理ですし、マザーボードの回路修復とはまた違った難しさがあります。

やり方が間違っていると、中途半端に問題を抱えた状態にしか治らないので、極力オリジナルの構成要素を維持して、正しく再構築する必要があります。

お読みいただいて、お気付きかもしれませんが「かも」とか「おそらく」という仮定だらけ、手探りの状態で作業を進めています。

パソコンのモデルは膨大な種類がありますし、初めて対処するモデルだらけ、壊れ方も様々です。

どうしても各モデルについて100%理解した上で修理に臨むことは不可能です。今回のケースも、初めて対応するものでした。初めてのケースでも仮定や憶測で作業を進めて正しい答えに辿り着けるのは、基本的な知識があることはもちろんですが、長年膨大な時間をかけて試行錯誤した豊富な経験・成功実績があるからです。

BIOS/ECの修復作業に関しては、弊社では豊富な修理実績があるため、相応の自信がございます。

BIOS更新に失敗してしまった際は、ぜひご相談ください。マザーボードごと交換せずに治せる可能性はまだ残っていることが多いです。

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