Western Digital WD2500AAJS-40VWA1 重度物理障害のデータ復旧事例
カテゴリ:HDD・SSD, Mac pcfixs_f.iino | 2017/10/28
ウエスタンデジタル WD2500AAJS-40VWA1のデータ復旧を行いました。
iMac内蔵HDDだったもので、全く認識しないとのことでお預かりです。
当初、目立ったクリック音が無いのでファームウェア障害かと思われましたが
よく診断したところリードリトライを繰り返す小さい異音がありモーターも止まってしまうので
ヘッド障害と診断致しました。重度物理障害です。
データ復旧プロセスの一歩目、まずはクリーン環境内で損傷ヘッドを良好ドナーヘッドに交換しました。
これだけでデータが読めるようになればいいのですが、今回はドナーマッチに苦戦。
かろうじてHDDを認識はするようになったものの、大量のエラーが発生しており、ほとんどのデータが読めない状態でした。
こういった場合、別のドナーを探すという方法もありますが、
ドナーも資材代がかかりますし、マッチするドナーを引き当てられる保証は一切ありません。
最悪の場合はマッチするドナーが見つからずに復旧不可になってしまいます。
そこで・・・
当社では、ファームウェアを調整してあげることでドナーの互換性を上げる手法をとっています。
できるモデル、できないモデル、有効である場合、そうでない場合とありますが、今回はうまくいきました。
ファームウェアの修正はこんな画面を見て作業しています。
専門家でないと、何が書いてあるかわからない画面ですが、この16進データから必要な情報を読み取り、適切に修正することでデータ復旧の成功率が上がるのです・・・
今回はファームウェア調整後、飛躍的にデータ読み込みが改善され、最終的なデータ復旧も成功しました。
以上、ヘッド損傷といっても、単に物理的な処置だけではなく高度な制御ソフト調整も必要になる事例紹介でした。